合併症について

脊髄を損傷して体に麻痺が残ることによって、様々な合併症を併発します。
脊髄損傷の患者に対しては、リハビリと同時に、合併症を防ぐための看護に重点が置かれます。
脊髄の損傷による合併症の代表的なものには、「尿路感染症」「床ずれ」「呼吸器合併症」「循環器合併症」などがあります。
尿路感染症は、脊髄の損傷によって、排尿機能に麻痺が起こった場合の導尿カテーテルで感染しやすくなる合併症です。
尿道から細菌が侵入することで、細菌が全身にまわって敗血症を起こす可能性が高いため、注意が必要な感染症です。
陰部や排尿に関する器具の清潔を保つことが最善の予防策とされています。
看護においては、陰部に抗菌薬を塗り、完全無菌の状態でカテーテルの交換を行うなどの注意が払われています。
床ずれは、体が動かない状態で同じ部分ばかりに体重がかかることで、血流障害を起こして皮膚が壊死してしまう恐ろしい合併症です。
仰向けに寝ている状態では筋力も低下して、骨によって皮膚が圧迫されるため、血流が滞ってしまいます。
健康な人であれば、自然と寝返りをうつことで血流の停滞を防いでいますが、麻痺の範囲が拡大すると、自力で寝返りを打つことができません。
そのため、脊髄損傷の看護のうち、もっとも重点を置いて頻繁に行われるのが体位変換です。
必要があれば、床ずれを防ぐための特殊な機械のついたベッドが使われることもあります。
脊髄損傷の患者は自発呼吸のできる状態にあっても、麻痺によって体に力が入らないため、セキがしにくく、痰が絡んだままになることがあります。
そのため、肺炎が起こりやすくなります。
これが呼吸器合併症です。
痰を排出しやすい体位変換や、深呼吸の練習などを行って肺炎を防ぐ看護が行われます。
循環器合併症には、主に、体の血流が悪くなるために起こるエコノミー症候群などがあります。
足の曲げ伸ばしを行うなど、血液の循環を促すリハビリを行って対処します。
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