脊髄の炎症

手足に運動障害や感覚障害が起こる、排尿や排便に異常がある。
このような症状を引き起こすのは、脊髄の腫瘍や椎間板ヘルニアだけではありません。
脊髄が炎症を起こす「脊髄炎」でもこのような症状が起こります。
神経系に炎症を起こすと、その部位によって、脳炎・髄膜炎・脊髄炎などと呼び名が変わります。
炎症を起こしているので発熱する場合もありますが、手足の痺れ感や感覚異常、排尿・排便障害の症状が出てから炎症を起こしていることが判明することも多い病気です。
脊髄炎の原因としては、ウイルスや細菌による感染や感染後性、膠原病などの合併症として起こるもの、何らかの原因で過剰な免疫反応を起こしてしまう自己免疫的なものなどが挙げられます。
原因による頻度はまだはっきりしていませんが、現在のところ、急性の脊髄炎を起こす患者の多くがウイルスや細菌に感染している、もしくは感染した後であるということが分かっています。
原因となるウイルスは、帯状疱疹ウイルス・麻疹ウイルス・風疹ウイルス・単純ヘルペスウイルスなどが知られています。
成人T白血病ウイルスでは、慢性的に炎症が広がる「脊髄症」を起こすことが分かっています。
脊髄炎では、脊髄は水平方向の炎症によって損傷を受けるとされています。
そのため、損傷を受けた部位から神経が伸びている部分に運動障害や感覚障害があらわれます。
その中でも胸髄が損傷を受ける頻度が最も高く、胸髄に関連する両下肢の運動障害や感覚障害が症状として多くなっています。
治療はできるだけ早く始めることが望ましく、完全に麻痺してしまう前に炎症を抑えることができれば、後遺症の程度も少なくなることが分かっています。
炎症によって損傷を受け始めると、その部分に痛みを生じることも多く、痛みの段階ですぐに治療を開始すると予後の経過が良好であるという研究結果も出ています。
背中の痛みや運動障害などを感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
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