脊髄と脊椎

脊髄と間違われやすい言葉に「脊椎」と呼ばれる器官があります。
脊椎と脊髄は非常に密接な関係を持っていますが、働きはまったく別のものです。
脊椎は、いわゆる「背骨」のことです。
医学的には背骨を脊椎と呼ぶのです。
その脊椎に包まれて守られているのが「脊髄」です。
脊椎は、人間の体をしっかりと中心で支えるという働きと、脊髄を守るという働きの両方を合わせ持っています。
頭蓋骨から腰の辺りまで伸びていて、頭の側から順に、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎と呼ばれています。
頚椎は7個の骨から、胸椎は肋骨の数と同じ12個、腰椎は5個、仙椎は1個の骨から構成されています。
胎児の頃にはすでに脊椎が完成されていますが、まだ、全体的に丸まっています。
しかし、生後3ヶ月頃からは、頚椎が前に反ってきます。
これが首据わりという状態で、立てに抱いても首がグラグラせず、安定してくることで、首が据わったかどうか分かります。
さらに1歳前後になって立って歩くようになると、腰椎も前に反るようになります。
人間は歩行動物ですから、立った姿勢のバランスを取るために頚椎と腰椎が反ることで、歩き出す準備が整うのです。
事故などで脊髄を損傷したときに、首と腰の辺りの脊髄を傷めることが多いのは、頚椎と腰椎が反っているため、少しの衝撃でも大きな負担が掛かるからです。
脊髄から出ている脊髄神経は、脊椎の間から末梢へと伸びています。
頚椎からは、両肩から両腕、両手の指先にまで伸びる神経が出ています。
胸椎からは肋間神経と呼ばれる胸から両腕の内側にかけて伸びる神経が出ています。
腰椎からは、腰骨から足の先まで伸びる神経が出ています。
一般的に脊髄や脊椎の損傷部位が頭に近づくほど、麻痺の症状が重いと考えられています。
傷めやすい頚椎や腰椎を損傷してしまうと、四肢の麻痺が残ってしまうことが多く、一度傷ついた脊髄は、残念ながら、現代の医学を持ってしても二度と元に戻ることはありません。
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