脊髄と骨髄

骨髄移植や骨髄バンクといった言葉が、あちこちで聞かれるようになりましたが、骨髄と脊髄、似たような言葉ですが、この二つは全くの別物です。
脊髄と混同している人が多いようですので、ここでその違いをご説明しておきましょう。
まず、脊髄とは、何度もお話しているように、脳から伸びている中枢神経です。
次に、骨髄についてですが、骨髄とは、骨の中にある血液の細胞を作り出す組織です。
血液の細胞とは、血小板や赤血球・白血球のことで、骨髄でしか作られていません。
骨髄移植が必要になる白血病や先天性免疫不全症、再生不良性貧血などの病気では、様々な原因から、骨髄の中で、血液の細胞の生成が遅くなるか、もしくは、ほとんど作られなくなってしまいます。
抗がん剤などでその症状が改善されない場合には、正常に働いている骨髄を移植することで、骨髄の働きを取り戻す治療しか残されていません。
骨髄移植は、健康な人の腸骨と呼ばれる骨盤の一部から骨髄を採取します。
他の部分の骨にも骨髄は存在していますが、他の骨に比べて多くの骨髄を持っていること、体表に近く重要な神経が周囲に存在していないことなどの理由から、腸骨が骨髄移植の骨髄の採取場所として選ばれています。
骨髄と脊髄をどうして混同してしまうのか。
それは、言葉だけでなく、腰椎穿刺と呼ばれる脊髄の液を採取する方法と、骨髄を採取する方法が同じと認識されていることが多いからという理由も考えられます。
腰椎穿刺も、骨髄穿刺も、腰の辺りに太い注射器を刺すのですが、腰椎穿刺では、腰の背骨に注射針を刺します。
骨髄穿刺では骨盤の骨を刺しますので、脊髄とはまったく別の場所を刺しています。
そのため、骨髄の採取中に脊髄を傷つける心配はまったくありません。
骨髄移植で体に麻痺が残ったりしないか心配という声を聞きますが、穿刺の場所が違いますので、骨髄を採取したからといって、体に麻痺が起こることはあり得ないことなのです。
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